台湾ブロガーのCocoです!
最近の話なのですが、台湾国内でとても話題になったおもしろいニュースがあります。日本や多くの国では絶対起こらない事なのですが・・・。それは、【寿司を無料で食べるために多くの方が改名をした】という事が起こりました!国内でもたくさんの方が驚き、日々話題にのぼっていたので、台湾の文化も含めて紹介します!
ことの発端
ことの発端は、日本から来た某回転寿司チェーンが「鮭(中国語で鮭魚guīyú)という2文字が名前に入っている方は2日間無料でお寿司食べ放題!」というキャンペーンを打ちました。魚の鮭が名前の人なんて普通に考えていないので、同時に「全く同じ漢字じゃなくても2文字の発音が同じなら○%割引き、1文字同じなら○%割引き」という事も書かれていたので、当初の会社の狙いは同じ音の漢字があるラッキーな方に、割引価格でお寿司を食べに来てもらおう!という事だったように思います。実際、中国語の名前で1文字だけ発音が全く同じ、というのはそこまでレアではありません。以前の高雄市長の「韓國瑜」さんの最後の字など、「魚」と同じ発音になります。
実際に起こった「鮭魚」さんの大量発生
そのキャンペーンが適応された日の事。その日の台湾のトップニュースを見て誰もが驚きました。そこには「お寿司を無料で食べるためだけに、役所に行って改名を行った“鮭魚さん”が国内で100人以上いた」とのこと!現地の方の間でも「そんなに必死で寿司を無料で食べたいの(笑)」という反応が主で、おもしろいニュースとして扱われていました。そしてその「鮭魚」さんたちはもちろんその機会をフル活用し、2日間の間に友人も連れて、思いっきり無料のお寿司を楽しんだということでしたが、私の疑問は「キャンペーン終わったら名前が鮭魚のままで生きるの・・?」でした。
台湾人は人生に3回改名できる
私を含む多くの在台外国人がその時に初めて知ったと思いますが、なんと台湾人は人生で3回改名できるらしいのです!しかも手数料が50元なのだとか。なので、その2日間のためだけに「鮭魚」に名前を変えてしまった方々は、3回以内であれば、その後もう一度役所に向かい、元の名前に戻す事が気軽にできてしまうのです。
これは台湾の文化と関係があります。台湾では風水や占いを信じている方が多く、名前の画数からの自分の運勢なども真剣に捉える方が多いんです。子供が生まれた時に名付けの専門家のところに行き、画数など全て見てもらった上で名前を決める方も少なくありません。その中で、例えば大人になってから自分の本来の名前が運をもたらしてくれない、などと判明した場合、ごく一般的に改名の手続きをされます。日本で改名をしようと思ったら家庭裁判所での手続きが必要となりますが、台湾ではそんな事がなく、理由が認められれば役所にて破格の手数料で3回まで改名する事ができるのです。
「鮭魚」から戻せなくなった人
さて、そのキャンペーン関連のニュースの中で、一つみなさんが特に注目したニュースがありました。それは、自分が過去に2回改名していると気づかずに「鮭魚」のついた名前にしてしまい、それが3回目だったために戻せなくなった大学生がいたというニュースです。(笑)第三者の私達からすると笑ってしまいますが、本人はきっと後悔しまくっていることでしょう・・。しかも大学生、これから未来があるのに一生「鮭魚」として生きないといけないのでしょうか。結局、台湾人の友人いわく、何か裏技のような方法があるらしく、多分戻せるという事でしたが。
この気軽に名前を変えられてしまう事によって起こったこのニュース。今は笑い話でしたが、中には「台湾人はなんて浅はかなんだ!」と絶望していた台湾人の友人も少なくありませんでした。なんにせよこれが数日に渡ってトップニュースになるこの台湾、とても平和で暮らしやすい国です。何より飽きないので(笑)気に入っています。